「100人中100人が関係アリ」な、ハウスダストアレルギーのお話

「かぜでもないのにくしゃみが出る」「長期間、原因不明の鼻炎が続いている」 それ、もしかして「ハウスダスト」によるアレルギー症状なのでは?
私は鈍感な人間だから、などというのは関係ありません。おうちの中で常に発生しているダニやほこりから、人間のフケ、たばこの灰まで、これら「ハウスダスト」によるアレルギーは、いつ誰に発症するとも限らないのです。
今回はそんな「ハウスダストアレルギー」についてのお話を、その原因から症状、対策に至るまでご紹介いたします。これを機にぜひ一度、おうちの総点検をしてみては?


■そもそも、「ハウスダスト」って?「アレルギー」って?


「ハウスダストって言っても、うちは目に見えるほこりなんかひとつ残らず掃除してるよ。」
そんなキレイ好きな方でもご用心、ハウスダストは目に見えないものも多いのです。そもそもハウスダスト(英:house dust)とは、広義には室内で浮遊する微粒子全般のことを指します。
「ハウス(家)」の「ダスト(ちり)」、ということですね。もちろん、ハウスダストと呼ばれるものすべてがアレルギーの原因物質というわけではありませんが、先述したダニのようなものから植物の花粉、工場からの煙など、その種類は多岐にわたります。
そして、「アレルギー」。この言葉、分かっているようできちんと意味を説明できないひとも意外と多いのでは?
「アレルギー」とは、簡単に言うと「ある物質に対して、体の免疫反応が過剰に起こってしまうこと」。ドイツ語の「Allergie」をカタカナ語にしたもので、語源はギリシャ語の「allos(「変わった、奇妙な」の意)」と、「ergon(「作用、反応」の意)」からきていると言われています。
すなわち、ある特定の<家の中にあるちり>に対して、体の免疫が<過剰に反応すること>こそが「ハウスダストアレルギー」、というわけです。


■ハウスダストアレルギーの原因って?


ここまでハウスダストアレルギーの定義について説明してきましたが、実はハウスダストアレルギーを引き起こす主な原因はただひとつ、「ダニ」です。

ハウスダストアレルギー≒ダニアレルギーとされるほど、ハウスダストによるアレルギー症状の大半はこの「ダニ」が占めると言われています。しかも、世界で1万種類ほどが確認されている「ダニ」の中でも、「チリダニ」に属するダニたちが、日本でのハウスダストアレルギーを引き起こす原因となっていることが知られています。
ちなみに「ダニ」は、生物学的には昆虫などの仲間ではなく、クモやサソリの仲間に分類されます。
「なんだ、じゃあダニ以外のハウスダストが家の中にあっても関係ないんだ」と思った方、実はそうではありません。ダニは、カビや人間のフケ、髪の毛などの有機物をえさにしてどんどん繁殖します。ダニ以外のハウスダストが、アレルギーの原因物質となるダニの増幅装置の役目を果たしているのです。
では、このダニ(チリダニ)が私たちの体の中に入ってくることでアレルギー反応が起こるのか?というと、それは少し違います。

アレルギー反応が起こるのは、ダニたちが出す「排せつ物」や、その「死がい」などを私たちが吸い込んでしまった時。これが、ハウスダストアレルギー(≒ダニアレルギー)の主な原因のひとつなのです。


■ハウスダストアレルギーを発症すると、どんな症状が現れるの?


「ハウスダストアレルギーの原因がダニ(チリダニ)の排せつ物や死がいであることは分かりました。じゃあ、発症するとどんな症状が出るの?」
と、ここまで読んでいただいたみなさんの多くが思われていることでしょう。

ハウスダストアレルギーを発症すると出てくる一般的な症状としては、くしゃみや鼻水、せき、呼吸がしづらくなる、などといったものがあります。それがひどくなってくると、鼻炎や気管支ぜんそく(こどもの場合は小児ぜんそく)、そしてアトピー皮膚炎といった皮膚症状に至るまで、疾患の種類は多岐にわたります。
少し専門的な言い方をすると、Ⅰ型~Ⅳ型の4つに分類されるアレルギーのタイプの中で、ハウスダストアレルギーはⅠ型の「即時型、アナフィラキシー型」というものに入るらしく、即時型の皮膚反応の代表的なものとしては15分~30分で最大の発赤(=皮膚や粘膜の一部が充血して赤くなること)や、膨疹(=皮膚などが膨らみを帯びること)、といったものがあるそうです。

くしゃみや鼻水といった最初の症状が出たとしても、いわゆる風邪の諸症状と同様であるため、すぐにハウスダストアレルギーを疑う人が少ないでしょう。それこそがこのハウスダストアレルギー(もしくは、アレルギー症状全般)が改善されない理由なのかもしれません。
初期症状に気づいてもすぐに「じゃあハウスダストアレルギー対策をしよう」とはなりにくいからです。しかしそのまま放っておけば、先ほども申し上げたような気管支喘息などの呼吸器系疾患、もしくはアトピー皮膚炎など、場合によっては生涯付き合うことを余儀なくされる疾患につながる恐れがあるので、長期的・断続的にこれらの症状が出る場合は早めの対策が必要になってくるのです。


■ハウスダストアレルギーが発症しやすくなる環境って?


ハウスダストアレルギーの主な原因は、そう、ダニ(チリダニ)でしたね。しかも、ダニが出す排せつ物や死がいを吸い込んでしまうことがハウスダストアレルギー発症につながります。
そして、カビや人間のフケなどといったダニのえさとなるハウスダストは、ダニの増幅装置の役目を果たしている、というところまでお話ししたかと思います。
そこで今回は、<ハウスダストアレルギーが発症しやすい環境>についてまずご紹介していこうと思います。その環境を改めることがすなわち、ハウスダストアレルギー対策へとつながっていくからです。
ハウスダストアレルギーが発症しやすい環境とは、大きく2つに分けると、

1・ハウスダスト(ダニ)が発生しやすい環境であること

2・ハウスダスト(ダニ)が除去しにくい環境であること


であると言えます。これら2つの要素についてそれぞれ具体例を挙げますので、ご自分のお部屋を一度見直してみてはいかがでしょうか。
ハウスダスト(ダニ)が発生しやすい環境であること
まず室内の温度と湿度。ダニや、ダニが餌とするカビは、温度が20℃から30℃、湿度が60%以上の環境で、最も発育・繁殖しやすいと言われています。また、室内に物が多いと、ハウスダストのたまり場が増えることにもつながります。

同じソファでも合成樹脂より布製のもののほうが、ダニの潜り込める場所が多くなってしまい、同じ材質の本棚であっても戸がついていないタイプのものはほこりがたまりやすくなる、といったことも。
そして、それらの家具をぴったりと壁にくっつけていると、裏側がハウスダストの温床になってしまいます。

さらに、ダニやカビの発生源となりやすいじゅうたんを敷き詰めていたり、ぬいぐるみ・クッション・観葉植物などがたくさん置かれていたりすると、それらすべてがハウスダストを増殖させる要因となるのです。
冷暖房についても、空気の汚れを増しやすい石油・ガスストーブは注意です。


ハウスダスト(ダニ)を除去しにくい環境であること
「どれだけハウスダストが発生しても、全部掃除してしまえばいいんでしょ?」とお思いの方、確かにそれは正解です。
しかし、室内がハウスダストを除去しにくい環境になっていると、どれだけがんばって掃除しても手の届かないポイントができてしまい、ハウスダストが発生し続けることになってしまいます。

具体例を挙げると、家具が多いのはもちろん幅や高さにムラがあり凹凸ができてしまうと、どうしても掃除の手が届かなくなり、ほこりがたまりやすくなります。また、厚手のカーテンを掛けていると換気がしにくく、カーテン自体に付着しているハウスダストも洗濯などによって除去できない原因となります。

室内環境だけでなく、たとえば換気をしようと窓を開けても、風通しの良い場所・建築環境になっていなければ、湿った空気が室内にとどまって、カビなどが大好きな高い湿度を保ってしまうことになるのです。


■ ハウスダストアレルギー対策


ハウスダストアレルギー対策はなんといっても「おうちの中をキレイに保つこと」。これに限ります。
具体策としてはさきほど挙げた<ハウスダストが発生しやすい環境><ハウスダストが除去しにくい環境>で挙げたチェック項目が役立ちます。すなわち、

・室内を温度20℃以下、湿度60以下に保つこと
・部屋にあまり物を置かず、ダニなどが発生しやすい布製の物は避けること
・床はフローリングにし、じゅうたんは敷かないこと
・掃除のしやすい環境を保つため、家具の凹凸や配置に気をつけること
・カーテンは薄手の物にして、ひんぱんに換気を行うこと

以上のような点が代表的なものとして考えられます。とにもかくにも、原因となるハウスダスト(ダニ)を発生させないこと、これに尽きるのです。
日常における対策をもう少し補足しておくと、掃除機をかける際は必ず窓を全開にして、室内の汚れた空気と掃除機から出る排気を外に逃がすこと!
また、意外と面倒くさがってやらないのが、掃除機の中の紙パックが詰まっていないかの確認。これを怠るといくら掃除機をかけても効果があがらなくなってしまうので、紙パックの交換はこまめに行いましょう。

洗濯についてもちょっとした心がけが必要です。ダニやカビは水溶性で、水に浸すと死んでしまうので、衣類はもちろん寝具などに関しても、洗えるものはこまめに洗うことが大切です。
しかし、濡れたまま洗濯物を放置するとそれらが再びダニやカビの温床になるので、洗濯機が停止したらすぐに干しましょう。もちろん、室内干しは湿気のもとになるので、外でしっかり干してください。
家事以外での対策としては、たばこは極力吸わないこと。ハウスダスト増加につながるとともに、喘息などの症状を悪化させる原因になるからです。どうしても吸いたい場合は、室内環境を悪化させないためにもベランダなど家の外で吸いましょう。
その他、普段からほこりの多い場所に近づかないこと、これも重要です。
都市部にお出かけをしたり大掃除に参加したりということはできるだけ避けて、家の中にほこりを持ち帰らないようにしましょう。
どうしても参加せざるを得ない場合は、家の中に入る前に服についたほこりを除去しておきましょう。


■ハウスダストアレルギー対策は、自分と自分の大切な人を守る対策


ハウスダストアレルギーについてここまでご説明してきましたが、いかがだったでしょうか。何年、何十年と過ごしてきたご自分のおうちが少し違ったふうに見えてきた方もいらっしゃるのでは?

ハウスダストを発生させない環境を心がけるということは、ご自分だけでなく、一緒に住んでいる人の健康を守ることにもつながります。まずは部屋の掃除や整理整頓を始めるなど、今回を機に少しずつでも行動に移し、ハウスダストアレルギーの心配のない健やかな生活を目指しましょう。

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